物語はいつも小さなことから生まれます。
たまたま読んだ時代小説「折れた刀」郡順史(こおりじゅんし)著(※1)に登場する「三春駒」に惹かれたのがそもそものきっかけ。それが郷土民芸シリーズ第1号の年賀切手に選ばれているのを知り、見てみたいと思ったのが今回のテーマ「三春駒」との出会いの始まりです。
東京山手線内回りで池袋の1つ先、JR「目白」駅。学習院大キャンパスの生け垣を左手に見ながら、ゆるやかな坂を下って2〜3分のところに「切手の博物館」(※2)があります。エントランスから一歩足を踏み入れると、そこは世界の切手ショウルーム。正面ガラスケースには、世界各国から届いた新着の切手が所狭しと展示されています。
驚いたのは、切手だけではありません。消印スタンプまでそれぞれの切手の絵柄に合わせてデザインされている。これはマニアの方はよくご存知のFDC(First
Day Cover)。日本語では「初日カバー」と呼ばれるもので、新発売の記念切手の発行日に消印が押された専用封筒のことを言います。特にヨーロッパのFDCには優れたデザインのものが多く、小さなスペースの中でも遊び心を満たされ魅了されます。
日本ではこのFDCの存在は、一般の人にあまり知られていないかもしれません。ましてや、その「初日カバー」を彩る自由なデザインの世界に気づいている人はどれだけいるでしょう?
FDCの記録性という価値からデザインの創造性に目を移し、それを一般公募、あるいはコンテストを企画したり、世界的な活動に参加するなどしてみたらコレクション価値も高まり、もっと楽しく意義のある世界が拡がるのでは・・・と思ったりします。
そこで発見!自分でオリジナルFDCをデザインしたら面白い。
コストと手間はかかるけど、記念切手のテーマとタイミングを計算すれば印象的なDMとして注目率、開封率が高まり、ビジネスにも使える・・・。つい脇道にそれて、この「切手の博物館」に訪れた目的を忘れるところでした。
右手奥にすすむとそこには懐かしい日本の年賀切手コーナー。
見覚えのある懐かしい切手群の中に、探しものはありました!
セピア系モノトーンの印刷で、華やかさはないものの、凛とした容姿の「三春駒」。
年賀切手は昭和11年に初めて発行されましたが、昭和29年から郷土民芸シリーズが始まり、その第1号に福島県の「三春駒」が選ばれたのです。日本全国に数ある郷土民芸の中から、なぜ最初の絵柄に選ばれたのか?そこにブランドの華が見つけられるのか?
(やっぱ、行ってみよう!)
その魅力を探るため「三春駒」の郷里、福島県の郡山市三春町に足を運んでみようと、思い立ちました。そういえば、三春には天下に名高い「滝桜」が間もなく満開を迎えます。それこそブランドの華。その様子もお伝えしたいと思いますので、お楽しみに!
元禄の頃、奥州三春藩家中である事件が起こりました。その顛末を、今もいのちの輝きを放つ「三春駒」の誕生秘話として描いた「士道小説」の短編です。
守るもののために、人間としての節義と信念を貫いたサムライの魂に感動し、心が震える思いがしました。わたしはe-bookで読みましたが、文庫本も出ています。http://www3.kobunsha.com/kappa/blst.html
香りのする切手、クリスタルが埋め込まれた切手、ハート型の切手があるのをご存知でしたか?さらに自分の顔写真入りオリジナル切手も作れてしまうというのはビックリ。また、「フランス・グラビュール」と呼ばれるカードを発見しました。新切手の試し刷りをしたものです。単色ですがシンプルな美しさがあり、しおりにしてもおしゃれです。ここでは世界の小さなデザイン博を訪れたようなときめきを覚えます。近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください。
財団法人「切手の博物館」
〒171-0031 東京都豊島区目白1-4-23 TEL:03-5951-3331 FAX:03-5951-3332
http://yushu.or.jp/museum/index.html
